ぺんすけの感想記

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「長ぐつをはいたネコ」ネタバレ感想 かっこかわいいギャップ系キャラの完成形、主人公プスと共感力マックスの悪役ハンプティ・ダンプティが最高のアニメ映画

 今日見たのは3DCGアニメ映画、長ぐつをはいたネコ

 

 監督はシュレックスリーでも監督を努めたクリス・ミラーさんです。

 

 

 立ち振舞と声は渋くてかっこいい、しかし見た目は完全にネコ。

 

 そんなギャップが光る長ぐつをはいたネコプスが活躍するキッズ・アニメーションです。

 

 長ぐつをはいたネコグリム童話などでも有名ですが、ストーリーはオリジナルのもの。

 

 また、この作品はシュレックシリーズのスピンオフ作品なのですが、シュレックの方と共通する登場人物も主人公のプスだけで、特に前提知識が必要なシーンもなし。

 

 単体で非常に綺麗にまとまっている作品なので、これだけ見てもメッチャ楽しめます。

 

 シュレックシリーズ視聴者へのサービス等はないので、むしろこっちを先に見て、シュレックでもプスが出てきてる!イエー!となったほうがより楽しめるかもしれません。

 

 こっちにシュレックのURLも張っておきますね。(ネコが出てくるのは2作目からです)

 

シュレック (吹替版)

シュレック (吹替版)

 

 

 では軽いあらすじから感想。 

 

あらすじ

 

 長ぐつをはいたネコプスはならず者でお尋ね者。

 

 怪盗だが、教会と子供からは盗まない。狙うのは金目の物と、伝説に出てくる魔法の豆。

 

 彼は悪党、ジャックジルから魔法の豆を盗もうとするが、女怪盗、摺り師のキティーと鉢合わせ失敗。

 

 邪魔をされた腹いせに彼女を追うと、その先にはかつてプスを騙し、彼が無実の罪を被るきっかけを作った男、ハンプティ・アレクサンダー・ダンプティがいた。

 

(このハンプティはみんなも知ってるハンプティダンプティをモデルにしたやつで、完全にたまご)

 

 プスとハンプティはかつて義兄弟の契を結んだ仲。

 

 過去のことは謝る。共に魔法の豆を手に入れ、空の城にある「黄金の卵」そしてそれを生む「黄金のガチョウ」を手に入れようと申し出るハンプティ。

 

 一度は断るが、黄金の卵を使えば失った名誉を取り戻せるかもしれないと、ハンプティと再び手を組むことを決めるプス。

 

 だが、ガチョウを手に入れたプスを待っていたのは、予想もしない巨大な罠だった……!

 

 果たして長ぐつをはいたネコは、失った誇りと名誉を取り戻すことはできるのか……!

 

感想

 

 いやまあメッチャ面白かったです。

 

 わかりやすく、それでいて飽きさせないストーリーライン。キャラクター、子供を楽しませるためのアクション、ハッピーエンドで終わる爽快なラスト。

 

 流石にでけえアメリカの会社が金かけて作ったもんはちげえなと思わざるをえない、完成度の高い映画でした。

 

 中でもキャラクター。

 

 主人公プスの完成度もさることながら、その相棒であるハンプティ・アレクサンダー・ダンプティが非常にいいキャラしてます。

 

 

 役どころで言えばこいつは結局クライマックスでプスを騙して罠に嵌め、しかも故郷の町をぶち壊そうとする悪役なのですが、その背景が良くできているといいますか。

 

 元々、プスとハンプティは孤児院で共に暮らしていた孤児だったんですね。

 

 プスとハンプティはお互いがお互いを助けたことで親しくなり、やがて協力して魔法の豆を追い求める仲になっていくわけです。

 

 最初は本当に二人共仲が良くて、ハンプティもプスの事を信頼していて、お互い足りないものを補い合って、いい相棒してるんですよね。

 

 やることは盗みなんですけど。

 

 その二人の仲に亀裂が入り始めるのが、プスが所長の妻を助け、長靴を送られた事件

 

 これを機にプスは町の英雄に。盗みを引退。それに対してハンプティは夢を諦めきれず、犯罪を重ね何度も牢にぶち込まれます。

 

 英雄と犯罪者。段々と距離が離れていく二人。

 

 ここの、悪の道に進もうとするハンプティとプスのやり取りが最高です。

 

 英雄として祭り上げられ、故郷に愛着を持ち始めたプスは


ここは故郷だ!この町の人達はお前に何もしてない!

 

 とハンプティを止め。


 周りから虐められ、犯罪者としてしか扱われたことのない、故郷を憎むハンプティは

 

「生まれ故郷でもない!親もいない!頼れるのはお互いだけだ!」

 

 

 

長ぐつをもらったから、俺とは格が違う!?

 

 とプスへの不信を募らせる。

 

 立場の違いから来る二人の対比が物悲しくも非常にわかりやすく描かれています。

 

 

 このわかりやすさというのが子供向け映画に限らず、創作物には非常に大事だなと感じますね。

 

 この後ハンプティはプスを騙して銀行を襲わせる手伝いをさせます。

 

 ここでプスは警官に連れ去られるハンプティを見限り、名誉と最愛の友を失う事になるのですが……

 

 仲違いのシーンが有るお陰で、ハンプティは根っからの悪人ではない、という事が伝わってくるんですよね。

 

 犯罪を犯し、プスを騙しはするのですが、「彼との友情は本物」なんです。

 

 だからこそ、プスが離れていくのを恐れ、騙してでも仲間にしようとするし、警察が来た時、プスがハンプティを見捨てたのが許せなかった

 

 友情が大きく、本物だったからこそ、憎しみも大きくなる。巨大な罠を仕掛けてプスに復讐しようとするわけです。

 

 そして騙した後でも、彼のことを大事だと思っているからこそ、

 

 クライマックスでプスが己の間違いを認め、ハンプティのことを許した時、


 彼との友情を取り戻すために街を救うため立ち上がるわけです。


 この一連のハンプティの感情の動きが一つに繋がっているのが本当に素晴らしいと思いました。

 

 いいやつから悪いやつに、悪いやつからまたいいやつに。ポジションがコロコロ変わるのに、不自然さが見受けられないんですよね。

 

 まあ更に何と言っても、このハンプティが改心する際の演出も最高で。

 

「お前は悪人ではない、発明家だ。正しい事をするのに遅すぎるなんてない!わかってる。本当はもっといいやつなんだろ?」

 

 

 

 ここのプスのセリフも最高ですし、その後空へ飛び立つハンプティの姿が、

 

 子供時代、初めてハンプティがプスに発明品を見せた時のリフレインになっているのも最高です。

 

 やり取りの後、最後にこの映像が出てくることで、

 

「二人の関係は、かつての子供時代、真の友情で結ばれていた頃に戻ったんだ」ということが言外に語られていて。

 

 プスとハンプティは、失っていた友情を取り戻したんだ!最強コンビの復活だ!巨大な化け物が相手でも、もう負けるはずなんてないぜ!とクライマックスのテンションを最高まであげてくれます。

 

 いや本当にこのシーン最高なんで見てほしいです。

 

 最後に、街を救うかそれともハンプティを救うか、プスが二つに一つを迫られるシーンが有るのですが、そこでのハンプティも最高にかっこいいです。

 

 そしてラストも……兎に角ハンプティが好きすぎて。


 彼はプスと並ぶ、二人目の主人公と言っても過言でもありません。変わった、という点で言えばきっとプス以上のものが有ると思います。

 

 勿論主人公のプスだっていいキャラしてるんですよ!

 

 吹替版での竹中さんのクッソ大人でかっこいい声と演技。時折挟まれるネコとしての愛らしさと怪盗キャラとしての哀愁漂う言動のギャップがもう……ね。

 

 そりゃあ世界中から愛されてスピンオフだって作られますよ!という圧倒的完成度です。

 

 ストーリーを彩る音楽もいいし、アクションシーンも動きを見ているだけできっと子供が楽しむだろうなー!と感じさせられ、マジで非の付け所が見つかりません。

 

 明るい気分になりたい、童心に帰りたい、楽しいハッピーエンドの物語が見たい、となったら真っ先にこれをおすすめしたいですね。

 

 皆もプスとハンプティの関係で暑く滾ってほしいぜ~

 

 という感じで今日の感想はこのあたりで。

 

 最後にもういっちょアマゾンのURLを張って終わりにしたいと思います。では。