響 〜小説家になる方法〜 1~6巻感想
友人から勧められて読みました。
滅茶苦茶面白かったです。
主人公は圧倒的な文才を持つ女子高生、鮎喰響(表紙の子です)。
彼女がその才能と作品で、停滞していた文学界を変えていく……という物語です。
最初に話を聞いた時は、この響さんが圧倒的な才能パワーで周囲の作家や友人をボッコボッコに完膚なきまでに打ちのめす作品という印象でした。
私も一時は小説家を目指したこともある身、正直読んだらストレスで胃袋がズタズタに破壊されて再起不能になるだろうと思い呼んでいなかったのですが、読んでみたらま~面白い面白い。
この主人公鮎喰響さんの造形がすごいですね。
不良に殺すぞと脅されたら殺し返すためにボールペンで目玉を狙い。
先輩と本の置き場で争ったら本棚を倒して自分の意見を通し。
芥川賞授賞式では、壇上で喧嘩を売ってきた作家の鼻骨をパイプ椅子で叩き折るという兎に角やることなすことぶっ飛んでる子なんですが……
これが不思議と嫌いになれない……というか、読んでるとこの子が可愛いくなってくるんですよ。
どう考えても頭のおかしい狂人なんですが、それを「鮎喰響」という一人の女の子として落とし込むのがめちゃくちゃ上手い。
自身と周囲の価値観に悩みもしますし、何より彼女は彼女なりに自分の友人達を大切に思っているんですよね。
手を出す理由も喧嘩を売られたから、もしくは彼女の周囲の人達が傷つけられたからというのが殆ど。
(とはいえ喧嘩を売られる切欠は響の天然煽りだったりするんですけど)
そして何より大抵、打ちのめされた相手も不幸ではなく幸せになるのがいいですね。
才能で相手の心をへし折る、というよりも、相手を変えてしまうというほうが正しかったな、と読んで思いました。
美少女のビジュアルになっているお陰で天才特有のずれた発言も可愛いさに繋がっていますし……
これ最初から全部わかっていて作ったキャラなのか、修正の後今の響きなったのか、作ったらいまの響になったのか。気になるところです。
また彼女周辺のキャラクター配置も見事です。
特に響の世話をし続ける涼太郎の底知れなさと響への異常な思いは、響がこれまでどうやって生きてきたのかのアンサーとして非常に綺麗で、かつキャラクター単体だけで面白いですし、
他のキャラクターも響へ与える影響、与えられる影響双方ともに面白いキャラばかりです。
一つ一つの話の作り方もかなり上手い……話の起点から終点まで読んだ時の満足感が半端ないです。
芥川賞編はほぼ全員の話で泣きかけました。
どのエピソードも読み終わった時はすげー気分が良くなります。
なんかすごい賞を取ったという話ですが(マンガ大賞2017)超納得の出来。
これ絶対ドラマ化すんじゃねえかな~!ちゃんと響ちゃんは可愛いメガネっ娘のままにしてくれよな~と切に願います。
最後にアマゾンへのリンクを張って終わりにしたいと思います。
では。