「しあわせの隠れ場所」ネタバレ感想 胸が温まる……だがそれ以上に胸がスカッとするドラマ映画
今日見たのはこちら。実在するアメリカンフットボール選手マイケル・オアーさんの実話を元にした映画、しあわせの隠れ場所です。
いつも通りささっとあらすじを書いて感想に移りたいと思います。
あらすじ
ビックマイクと呼ばれる大柄な黒人男子、マイケル。
彼は薬物中毒の母親から引き離され、世話をしてくれたビッグトニーからキリスト教系の高校に入れられる。
低い成績から拒否感を示していた教師陣だが、アメリカンフットボールのコーチ、コットンの身体能力を目当てにした熱い説得もあり、マイケルを受け入れる。
しかし、やはりマイケルは勉強にはついていけず。先生も周囲の生徒も彼から距離を取る。
感謝祭の日、マイケルは迷惑になると遂にビッグトニーの家からも逃げ出してしまう。
その先で彼が出会ったのが裕福な白人女性、リー・アンだった。
寒空の元薄着で彷徨うマイケルを家へと招くリー・アン。
彼女の行動力と優しい心は、やがてマイケルの人生を大きく変えていく……
感想
マイケル・オアーさんは黒人で、映画中には差別の描写も結構あります。時には胸糞悪くなることも。
普通の作品ならこのもやもやはその後もなが~くあとを引くことになるのでしょうが……この映画は違います。
もやもやしてからさして時間を置かず問題が打破され、うおー!爽快ー!という気持ちにさせてくれます。
そんな展開を可能にしているのがスター選手、マイケル・オアーを差し置いて主役を張っている、スーパージョック夫人リー・アンの存在です。
彼女の行動力が本当に凄まじいんですよね。
例えばマイケル・オアーを最初に家に招くシーン。
彼の姿を見ても車を走らせようとする夫を止め、自分から立ち去ろうとするマイケルの手を引いて車の中に強引に連れ込み、自らの家へ招待します。
アメリカでは黒人には危険だとか野蛮だとかというレッテルを貼られている時代。
そんな中躊躇いなく、マイケルのような大柄な黒人を家に連れ込む事ができる人間がどれだけいるでしょうか?
マイケルも彼女の優しさに答えてくれるところが本当にいいですね。
このやり取りは冒頭30分ほどで行われるのですが、この部分だけでも十分すぎるほどのカタルシスがあります。
彼女の家族がマイケルをすんなり受け入れてくれる所もストレスレスでいいですねー。
子供のS・Jなんて見た目は生意気そうな顔してるのにマイケルに懐きまくりですからね!
無邪気で無垢な子供って感じが愉快で可愛いやつなんです。
その後もマイケルに難が降りかかる度にリーが解決していくのですが、そのテンポがすっげーいいんですよね。
目の前に誰が立ちはだかろうが、リー・アンが持ち前の行動力と胆力、そしてなにより圧倒的ジョック・パワーと財力で全てをなぎ払いマイケルを幸福へと導いていくのが痛快痛快。
おいこれ本当に実写!?異世界転生物の現代翻訳じゃねえの!?と疑いたくなってくるほどです。
黒人差別、貧富の差をテーマにした映画はいくつか見てきましたが、ここまで娯楽的作品に昇華しているのは初めて見るかもしれません。
いや~自分は差別とかあると引いちゃうからな~!人間のみ悪いところを見せられるのはきついんだよな~!
という人も食わず嫌いせず、是非見ていただきたいです。
最後にもう一度URLを張って終わりにしたいと思います。では。